「親から住宅購入資金をもらえば、一定額までは自動的に非課税になる」と思っていませんか?
実際には、親から子への住宅資金贈与には非課税の特例がありますが、金額だけでなく、贈与を受ける人・住宅の要件・入居時期・申告の有無など、いくつかの条件を満たす必要があります。
よくある誤解と、誤解が生じやすい理由
この特例は「省エネ住宅なら1,000万円、一般住宅なら500万円まで非課税」という説明だけが先に知られやすく、細かな適用条件が見落とされがちです。
また、「親子間のお金だから申告しなくてもよい」と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、国税庁タックスアンサー No.4508でも示されているとおり、この制度は誰でも無条件に使えるわけではありません。たとえば、贈与者は直系尊属であること、受贈者の年齢や所得、住宅の床面積などに要件があります。個別事情によっては、非課税にならない場合があります。
非課税枠だけ見て進めるリスク
要件確認をしないまま資金移動や契約を進めると、後から贈与税の申告漏れと判断されるおそれがあります。
特に注意したいのは、次のような点です。
| 誤解しやすい点 | リスク |
|---|---|
| 親からの贈与なら自動で非課税 | 特例不適用となり、贈与税がかかる場合があります |
| 非課税枠内なら申告不要 | 申告が適用要件となる場合があります |
| 住宅なら種類を問わない | 省エネ住宅か一般住宅かで上限額が異なります |
| 名義や入居は後で整えればよい | 要件充足時期を外し、適用できない場合があります |
住宅取得は金額が大きいため、特例が使えない場合の税負担も軽くありません。さらに、相続開始後に過去の資金移動が確認された際、贈与の経緯説明が必要になることもあります。
【想定事例】「1,000万円まで大丈夫」と考えていたケース
ご両親から新築住宅の頭金として800万円の援助を受けた方が、「住宅資金だから非課税」と考えていたとします。
しかし、購入した住宅が省エネ住宅の要件を満たしていなければ、使える非課税枠は一般住宅の500万円となる可能性があります。差額部分について、贈与税の対象になることがあります。
このように、同じ住宅取得資金でも、住宅の性能区分や証明書類の有無で結論が変わることがあります。
正しい対応方法
特例の適用を検討する際は、次の順で確認するのが一般的です。
贈与者が直系尊属か確認する
父母や祖父母からの贈与が対象です。受贈者の要件を確認する
年齢や合計所得金額などの条件があります。住宅の要件を確認する
新築・取得・増改築等の別、床面積、省エネ住宅該当性などを確認します。贈与の時期と入居時期を確認する
特例は時期の要件が重要です。契約や入居のスケジュールも含めて見直す必要があります。必要書類をそろえて申告する
非課税の適用を受けるには、戸籍関係書類、登記事項証明書、売買契約書、省エネ住宅に関する証明書類などが必要になるのが一般的です。
まずは「使えるかどうか」の確認が大切です
住宅資金贈与の特例は、有効に活用できる場面がありますが、「いくらまで非課税か」だけで判断するのは避けたいところです。
実際には、住宅の内容、契約時期、所得状況などで適用可否が変わりえます。贈与を受ける前後で確認しておくことで、後の申告や説明も進めやすくなります。
本記事は情報提供を目的として作成しており、特定の税務判断を推奨するものではありません。実際の税務処理・申告については、税理士等の専門家にご相談ください。個別事情によって結論が異なる場合があります。
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