うちは相続税がかかる?生前に確認したい判断ライン|基本を整理

相続税がかかるかは、まず「遺産総額が基礎控除を超えるか」で見ます。生前準備では財産の棚卸しと相続人確認が最初の判断ラインです。

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相続税がかかるか分からない場合、生前準備で最初に見るべき判断ラインは「財産の総額が基礎控除(一定額まで相続税がかからない枠)を超えるか」です。
この記事は、まだ相続が起きていない段階で「うちは相続税の対象になりそうか」を整理したい方に向けて、判断の順番を基本からまとめたものです。

相続税がかかるかの基本は「基礎控除を超えるか」

相続税は、相続や遺贈(遺言によって財産を受け取ること)で財産を取得したときにかかる税金です。根拠は相続税法で、計算の基本は国税庁タックスアンサー No.4152「相続税の計算」 でも確認できます。

まず押さえたい全体像は次のとおりです。

確認項目 内容
1 相続人(法律上の相続する人)が誰かを確認する
2 財産と債務(借入金など)を洗い出す
3 正味の遺産額を概算する
4 基礎控除額と比べる
5 超えそうなら特例や申告要否を検討する

相続税がかかるかの第一関門は、遺産の合計額が基礎控除額を超えるかどうかです。
基礎控除額は次の算式です。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人なら、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
が基礎控除額になります。

そもそも「相続税がかかる人」とは誰か

「相続税がかかるか」は、単に預金額だけでは決まりません。亡くなった方の財産全体を見て判断します。

対象になりやすい財産

相続税の対象財産には、一般に次のようなものがあります。

財産の種類 具体例
金融資産 預貯金、株式、投資信託
不動産 自宅、貸家、土地、駐車場
その他 生命保険金、死亡退職金、ゴルフ会員権など
差し引くもの 借入金、未払金、葬式費用など

実務上、見落としやすいのは不動産の評価額生命保険金です。
特に自宅の土地は「購入額」ではなく**相続税評価額(相続税計算のための評価額)**で見るため、思っていたより高い・低いということがよくあります。

生前にできるセルフチェック

相続税がかかるか迷うときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

チェックリスト

  • 法定相続人が何人か分かる
  • 預金・有価証券の残高を大まかに把握している
  • 不動産を一覧にできる
  • 借入金や未払金を確認できる
  • 生命保険の死亡保険金の内容を把握している
  • 基礎控除額を計算した
  • 遺産総額の概算が基礎控除を超えるか比較した

この時点で、明らかに基礎控除を下回るなら、相続税申告が不要となる可能性が高いです。
一方で、基礎控除を超えそう、または超えるか微妙なら、次の確認が必要です。

よくある誤解と判断を誤りやすい点

自宅しかないから相続税はかからない、とは限らない

「現金が少ないから大丈夫」と考えがちですが、土地の評価額が高い地域では、自宅だけでも基礎控除を超える場合があります。

配偶者が相続するなら申告不要、とは限らない

配偶者には配偶者の税額軽減があります。これは一定範囲まで相続税負担を軽くできる制度で、国税庁タックスアンサー No.4158 で確認できます。
ただし、税額がゼロでも申告が必要になる場合があります。ここは誤解が多い点です。

小規模宅地等の特例があるから今は見なくてよい、は危険です

自宅の土地などについて評価額を下げられる可能性がある制度として、小規模宅地等の特例があります(国税庁タックスアンサー No.4124)。
ただし、これは要件確認が必要で、誰が住み続けるか、事業を続けるかなどで結論が変わります。生前の段階では、まず特例前でも基礎控除に近いかどうかを見ておくと安全です。

相続税がかかるか分からないときの実務上の進め方

1. 相続人を確定する

法定相続人の人数で基礎控除額が変わるため、出発点として重要です。前婚の子、養子の有無などで数え方に注意が必要な場合があります。

2. 財産の棚卸しをする

通帳、不動産の固定資産税課税明細書、保険証券、証券会社の残高報告書などを集め、一覧表にします。
実務上は「あるはずの財産」ではなく、資料で確認できる財産から積み上げると漏れが減ります。

3. 概算評価をする

預金は残高、不動産は路線価や固定資産税評価額を参考に概算します。厳密な評価でなくても、生前準備では「超えそうか」の判定に役立ちます。

4. 特例適用の余地を後から検討する

基礎控除を超えそうなら、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を確認します。
相続税の申告と納税の期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です(国税庁タックスアンサー No.4205)。生前に見通しを立てておくと、相続後の慌ただしさを減らせます。

自分で判断しやすいケースと、相談が必要な境目

次のようなケースは、自力でも大まかな判断がしやすいでしょう。

自力で進めやすいケース 相談を考えたいケース
財産が預金中心で把握しやすい 土地がある、評価が難しい
相続人が明確 前婚の子、養子、相続放棄の可能性がある
基礎控除を大きく下回る 基礎控除を超えるか微妙
特例を使わなくても申告不要になりそう 特例を使う前提で判断している

特に、不動産が複数ある場合相続人関係が複雑な場合基礎控除の前後に収まりそうな場合は、専門家に確認した方が判断がぶれにくくなります。相談すると、財産評価の考え方、申告が必要かどうか、どの特例を視野に入れるべきかが整理しやすくなります。

まとめ

生前準備で「うちは相続税がかかるのか」を考えるときは、まず法定相続人の数を確認し、財産の総額が基礎控除を超えるかを見るのが基本です。
そのうえで、超えそうなら不動産評価や特例の可否まで見通しておくと、相続後に慌てにくくなります。

本記事は情報提供を目的として作成しており、特定の税務判断を推奨するものではありません。実際の税務処理・申告については、税理士等の専門家にご相談ください。個別事情によって結論が異なる場合があります。

相続税は、財産の種類や相続人の状況によって計算方法や特例の適用が大きく変わります。「うちの場合はどうなるか」を知りたい方は、早めに税理士へご相談されることをおすすめします。
毛利順活税理士事務所では、初回のご相談を無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。

免責事項 本記事は情報提供を目的として作成しており、個別の税務アドバイスではありません。実際の税務判断・手続きについては、税理士等の専門家にご相談ください。税制は改正される場合があり、記事の内容が最新状況と異なることがあります。個別事情によって結論が異なる場合がありますので、必ずご自身の状況に合わせてご確認ください。

参考:国税庁タックスアンサー No.4152 相続税の計算

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