相続が始まると、葬儀や各種届出に追われる中で、税務手続きの期限も意識しなければなりません。とくに相続税の申告と納税は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内とされています。まずは全体の流れを把握し、早めに準備を進めることが大切です。
出典:国税庁タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税
相続税の申告期限は「死亡日から10か月以内」が原則です
相続税の申告書の提出先は、原則として被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。納税も申告期限までに行う必要があります。期限を過ぎると、加算税や延滞税が生じる場合がありますので注意が必要です。
なお、相続税がかかるかどうかは、遺産総額が基礎控除額を超えるかで判断するのが一般的です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。もっとも、生命保険金や不動産評価、債務控除などで結論が変わる場合があります。
まず確認したい手続きの流れ
相続開始後は、次の順で確認していくと進めやすいです。
- 被相続人の財産と債務を把握する
- 遺言書の有無を確認する
- 相続人を確定する
- 準確定申告が必要か確認する
- 遺産分割協議を進める
- 相続税申告の要否を判定する
- 申告書の作成と納税を行う
特に見落とされやすいのが準確定申告です。被相続人に所得税の申告が必要であった場合、相続人は原則として死亡を知った日の翌日から4か月以内に準確定申告を行います。相続税の10か月とは別の期限ですので、同時並行で確認する必要があります。
【想定事例】10か月は長いようで短いです
たとえば、相続財産にご自宅、預金、生命保険、上場株式が含まれ、相続人が複数いるケースでは、資料収集だけでも時間がかかることがあります。不動産の評価や名義確認、過去の贈与の有無の整理、遺産分割協議の日程調整などが重なると、10か月は想像以上に早く過ぎていきます。
また、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、要件を満たせば税負担の軽減につながる場合がありますが、原則として申告が前提です。遺産分割が期限までに整わない場合、いったん未分割の状態で申告が必要になることもあります。個別事情により進め方が変わるため、早期の確認が重要です。
10か月以内にやるべきことチェックリスト
申告期限までに、次の点を順に確認してみてください。
- 死亡日を基準に申告期限を確認する
- 相続人を戸籍で確定する
- 預金、不動産、有価証券、保険金などの財産を一覧化する
- 借入金や未払金、葬式費用など債務を確認する
- 遺言書の有無を確認する
- 準確定申告の要否を4か月以内に検討する
- 遺産分割協議を進める
- 相続税の申告要否と概算税額を確認する
- 必要書類を整え、申告と納税を行う
相続税は、財産の内容や相続人の状況によって必要書類や判断が異なります。期限直前になると選択肢が限られる場合もありますので、余裕を持って動かれるのが安心です。
本記事は情報提供を目的として作成しており、特定の税務判断を推奨するものではありません。実際の税務処理・申告については、税理士等の専門家にご相談ください。個別事情によって結論が異なる場合があります。
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