ヤフーショッピングの返品・返金、仕訳はどう書く?開業直後セラーの疑問を整理

ヤフーショッピングの返品・返金仕訳は「売上取消」か「返品受入」の2パターンに整理できます。開業直後で免税事業者の場合も仕訳の基本構造は同じで、消費税の扱い方だけが異なります。

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この記事で分かること

ヤフーショッピングで商品が返品された・購入者に返金した場合、帳簿にどう記録すればよいか迷う方は多いです。

この記事では、返品・返金の仕訳の2つのパターンと、開業直後(免税事業者)の場合の消費税の扱いをまとめて整理します。読み終えたあとには、自分のケースでどちらのパターンを使えばよいか判断できる状態を目指します。

対象読者は、ヤフーショッピングに出店して間もない個人事業主・法人で、「返品や返金が発生したとき、帳簿に何をどう書けばいいか分からない」と感じている方です。


返品・返金が発生するパターンは大きく2種類

仕訳の書き方を考える前に、「何が起きているか」を整理することが先決です。ヤフーショッピングでの返品・返金には、大きく分けて次の2つのパターンがあります。

パターン 内容 よくある場面
① 売上取消(返品受入) 商品が手元に戻り、代金も返金する 商品の初期不良、イメージ違い、誤発送
② 値引き・一部返金 商品は返品されず、金額の一部だけ返金する 軽微な傷の補償、送料トラブルの解決

ほとんどの返品トラブルはパターン①ですが、パターン②(一部返金)も実務では頻繁に起こります。それぞれ仕訳の構造が異なるため、順番に見ていきます。


パターン①:商品が戻ってきた場合の仕訳(売上取消)

基本の考え方

売上は「商品を引き渡したとき」に計上します。返品があった場合は、その売上を取り消すことになります。会計では「売上戻り高」または「返品」という勘定科目を使うのが一般的です。

仕訳の例(税込経理・免税事業者の場合)

【前提】

  • 販売価格:1,100円(税込)
  • 購入者に銀行振込で返金

売上計上時(注文確定・発送時)

借方 金額 貸方 金額
売掛金(未収金) 1,100円 売上高 1,100円

入金時(ヤフーショッピングの精算入金)

借方 金額 貸方 金額
普通預金 1,100円 売掛金(未収金) 1,100円

※ヤフーショッピングは注文ごとに売上が立つのではなく、月次または週次でまとめて精算入金されるため、実務では「売掛金」か「未収入金」で一時管理するのが一般的です。

返品発生・返金時(返品受入後に購入者へ返金)

借方 金額 貸方 金額
売上高(売上戻り高) 1,100円 普通預金 1,100円

実務メモ 「売上戻り高」という独立した勘定科目を作ることもできますが、開業直後であれば「売上高」のマイナスとして処理しても構いません。青色申告ソフト(freeeやマネーフォワードなど)では、売上高に対してマイナス入力するか、「売上戻り高」を選択できます。どちらを選ぶかは継続して使用することが重要です。


パターン②:一部返金のみの場合(商品は返品なし)

商品を購入者が手元に残したまま、金額の一部だけ返金するケースです。この場合は「売上を一部取り消した」ではなく、「値引きをした」と整理します。

仕訳の例(税込経理・一部返金2,000円)

借方 金額 貸方 金額
売上高(売上値引) 2,000円 普通預金 2,000円

「売上値引」という勘定科目が一般的ですが、「売上高」のマイナスとして記帳しても実態は同じです。


開業直後(免税事業者)の場合、消費税はどう扱う?

免税事業者であれば、消費税の申告義務はありません

開業1年目・2年目の事業者は、原則として消費税の納税義務がない「免税事業者」に該当することがほとんどです(国税庁タックスアンサー No.6501 納税義務の免除)。

免税事業者の場合、消費税を申告・納付する必要はないため、仕訳上は税込金額をそのまま売上として計上する「税込経理」が基本です。返品・返金の仕訳も税込金額で処理します。

課税事業者になったら「税抜経理」も選択肢に

将来、課税売上高が1,000万円を超えた年の翌々年(または特定期間の判定)から課税事業者になると、消費税の申告が必要になります。そのタイミングで税抜経理に切り替えると、売上・仕入の消費税をそれぞれ「仮受消費税」「仮払消費税」に分けて管理することになります。

経理方式 対象 返品仕訳の消費税処理
税込経理 免税事業者・課税事業者どちらも選択可 税込金額で売上戻りを計上
税抜経理 課税事業者が選択可 本体価格と仮受消費税を分けて戻し入れ

開業直後の免税事業者であれば、まず税込経理で統一するのがシンプルで間違いが起きにくい方法です。


判断フロー:自分のケースはどちら?

返品・返金が発生したとき、次の順序で確認してください。

1. 商品は返ってきたか?
   ├─ Yes → 【パターン①】売上取消の仕訳
   └─ No(一部返金のみ)→ 【パターン②】売上値引の仕訳

2. 自分は免税事業者か?
   ├─ Yes(開業1〜2年目が多い)→ 税込金額でそのまま処理
   └─ No(課税事業者)→ 税抜経理なら消費税部分も戻し入れが必要

よくある迷いポイントと実務上の注意

「ヤフーショッピングの精算と返金のタイミングがずれる」

ヤフーショッピングでは、注文の入金精算と返品・返金処理が別々のタイミングで動くことがあります。精算済みの売上に対して後から返金が発生した場合は、返金した日付で「売上戻り高」または「売上値引」として記帳するのが原則です。精算の仕組み上、マイナス精算として翌月相殺されるケースもありますが、その場合も発生日(返金日)ベースで仕訳を立てておくと帳簿が正確になります。

「送料や手数料が絡む場合はどうする?」

返品送料を負担した場合、その金額は「荷造運賃」「発送費」などの費用として別途計上します。返金金額と送料を混在させずに、それぞれ独立した仕訳として記録すると、後で確認しやすくなります。

「返品商品を再販した場合は?」

返品で手元に戻った商品を再販する場合、在庫に戻す処理が必要です。ただし開業直後で在庫管理を厳密に行っていないケースも多く、少額であれば年末の棚卸しで調整する方法も現実的です。取扱金額が大きくなってきたら、在庫管理の仕組みを早めに整えることをおすすめします。


自分で対応できる範囲と、専門家に相談すべき範囲

状況 判断の目安
単発の返品・返金で金額も少ない 上記の仕訳パターンで自力対応可能
返品が頻繁に発生し、月ごとの処理が煩雑になっている 記帳ルールを整理してから継続するのが安全
課税事業者への切り替えタイミングが近い 税抜経理への移行・インボイスへの対応と合わせて相談推奨
ヤフーショッピングと他モールを並行しており、精算の突合が難しい チャネルごとの売上・返品管理の設計から相談を

まとめ

ヤフーショッピングの返品・返金の仕訳は、「商品が戻るか/返金のみか」の2パターンに分けて考えると整理できます。

  • 商品返品あり → 売上取消(売上戻り高)
  • 金額の一部返金のみ → 売上値引

開業直後で免税事業者であれば、税込経理で税込金額をそのまま処理するのが基本です。消費税の申告が必要になるタイミングでは、経理方式の見直しも検討してください。


本記事は情報提供を目的として作成しており、特定の税務判断を推奨するものではありません。実際の税務処理・申告については、税理士等の専門家にご相談ください。個別事情によって結論が異なる場合があります。


仕入税額控除の要件や帳簿の付け方は、取扱商品や販売チャネルによって異なります。「自分のケースではどうなるか」を確認したい場合は、税理士への相談がおすすめです。

毛利順活税理士事務所では、初回のご相談を無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。

免責事項 本記事は情報提供を目的として作成しており、個別の税務アドバイスではありません。実際の税務判断・手続きについては、税理士等の専門家にご相談ください。税制は改正される場合があり、記事の内容が最新状況と異なることがあります。個別事情によって結論が異なる場合がありますので、必ずご自身の状況に合わせてご確認ください。

参考:国税庁タックスアンサー No.6501 納税義務の免除

よくある誤解と正しい理解はこちら

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